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とか叫ぶ程度には心打たれてます。というかここらへん個人的な返信みたな感じですホントメッセージまでありがとうございますIっこさん!!!!!看取り・・・いいよね!!!!!


とまぁ、スネークイン的に竹馬の看取り妄想に入るわけですけどね。はい。
ここ一応天国メインのサイトなんだけどそこんとこどうなってんの?ってくらいの怒涛の竹馬っぷりの主が一番驚いてるよビクンッビクンッ!!


馬子さんて、太子より生きてんだよね。
憎まれっ子世に憚る的な?はは・・・

用明も物部も、そして太子も見送って、生きていた。

私、馬子は同性愛者ってのをすごく押しているので(奥さんのことはまた違う意味で愛情があったことは確かだと思います)用明←馬子ってのが凄く好きなのだよ。

そこからの捻じ曲がった馬太・・・・ゴクッ

でも、どれも肉体関係が絡むようなものではなくて(ドロドロしたりはするんだけど)いや、あってもイインダヨ~!だけどな。
ただ、そういったものが、太子が死んだことで(死んだ事が機であって)一つの縁の絡まりが溶けたのでは無いかと、私は思っている。
別に馬子さんは太子を憎んだりはしていなかったよ。憎しみを生むほどの激しい愛はそこにはなくて、用明と太子をダブらせての憧憬だとか劣情・・・に心乱されたりはした。

だから太子に八つ当たりや虐めめいたこともしたね。間違いなく。馬子って子供だと思うんだよ。そういうところ。
しれったとした顔してさ。

だから、太子は病床に馬子を見舞わせて、少し・・・まぁ「今なら貴方の手で殺せますよ」くらいなことは言ったかもしれない。
アンタはそれを望んでたんじゃないか?って揺さぶったかもしれない。
でも、馬子はね、そんな挑発に乗ったりはしないけどね「私が手を下さなくとも、死は訪れる・・・」平等に
「それに、馬に蹴られて死んだのでは洒落にもならんからな」

言外に妹子のことを匂わせたりして。

死を前に、太子は嫌味に笑う「私もたまには気を利かせたことをするでしょう」
馬子は表情を崩すことなく静かに太子を見下ろす「お前はまこと用明の息子だよ」



太子が死んでから、馬子が死ぬまでの数年間。

それは、馬子にとって最も心穏やかな時期だったのではないかと思う。(政治的背景は無視していますよ)


二回目だけど、馬子は太子を憎んではいなかったし、太子も馬子を憎んではいなかった。
むしろ二人は依存し合う時期があったといってもいいし、馬子は用明の子としてでなくとも太子に愛情を抱いていたよ。


ただ、そこには太子が死ぬことでしか切れぬ、目には見えない縁の業があったというだけ。




竹中さんはそれをすべて見てきたわけだ。



そして、自らも病床に伏した馬子。


見舞う者は多かったが、その殆どは門前に払われた(馬子の妻がやんわりと制していた)

馬子と、妻と、古くからの召女、3人だけの離れで、馬子は病床に臥せた。

その日、夕方からやわやわと降り始めた雨は屋敷を包み込むように厚い層となって夜になっても止む気配は無かった。
夕餉と薬を運んだ妻が、馬子の部屋の縁側の戸板を引く。

「そこは、開けておけ」

布団に横たわり、目を閉じたまま馬子が妻に声を掛ける。
春先とはいえ、雨天の夜風は決して病人に優しくは無いだろう。
それでも「わかりました」そう答えて、妻は静かに奥の間へと身を帰していった。

部屋には馬子だけが残され、薄暗い室内を照らすものは枕元に設えられた僅かなこより火のみ。
湿気を含んだ夜風に、それは頼りなく揺れる。

「待っていてくれたんだね」

馬子、薄い水簾を挟み込んで響くような声が馬子の耳に届いた。

「私は待ってなどいない」

約束などという薄っぺらいものはない。だからそれは、早くも遅くも無い。

いつもその時を必然として訪れるのだ。

小さく、雨筋の間を縫うようにして「入れ」という声が聞こえた。
薄暗い小さな部屋にただ水音だけが満たされる。ひんやりとした静寂に、竹中さんは少しだけ含み笑って言葉を転がした。
「相変わらず、養生には適さないところだ」
目には見えぬ、いや、この人外には見えているのかもしれない。一見静寂に見えるそこかしこには黒く粘着質な闇がひそひそとさざめき声を立てている。人成らざる、悪意憎悪。

「池の畔のほうがまだ静かだよ」

「棲めば都だ」

強がりという風ではなく馬子は平坦に答えた。


「そう、でも今は少しお暇願おうかな」

誰に向けるでもなく、ニコリと微笑んだ笑みの背後でぱしゃんっ、と水音が一つ。
こより火が大きく揺らぐ。
何が変わったというわけではない。しかし、部屋は不思議な静謐をたたえていた。

「やっと落ち着いて話ができる」

「話す事は無い」

取り付く島どころか、崖もない。

「冷たいな、馬子は。そんなんだから俺しか友達が居ないんだよ?」

「・・・」

「・・・まぁ、それは冗談だけど」

ニコリ

「早く・・・ゴホッ・・・・ッ・・・ゴホッ」

「苦しそうだ」

青白い手が布団の胸のあたりに伸びる。
ジロリ、と馬子の視線が闇を射抜いた。

「何もしないよ」
ばんざいよろしく手を上げて、降参のポーズをとっておどける。

「何もし無い。何もし無いと、死んでしまうよ馬子」

雨が降っているね、とでも言うように軽く話す。

「ゴホッ・・・・だろうな。・・・・それが摂理だ」

人は死ぬ。それは静かな拒絶だった。

「俺なら捻じ曲げられる。馬子をこちら側に連れてくることだって、人が永遠と言うほどの寿命もあげられる。君が見たがっていたモノを見せることも出来る」

ゴホッ・・・湿っぽく絡まるような馬子の咳がこより火を揺らす。

「今日は随分口数が多いな」

ゴホッ・・・

「・・・そうかな・・・そう、だね」

はは、と乾いた笑いが馬子の口から漏れた。

「お前でも、置いて行かれとは寂しいものなのか」

ぱちゃ、ぽちゃん、縁側から雨音が部屋に響く。

「さみしい・・・」

確認するようにそれは繰り返し発音される。

「さみしいのかな」

「知るか・・・」

咳ともため息ともつかぬものが漏れ、部屋は再び厚い雨音の簾に包まれる。

「さみしいっていうのはね、わかる気がするんだよ。きっとそれは、用明を太子が、太子をイナフが見送った時に感じた、あの感情の揺らぎなんだろう。でも、それが今俺の中にあるかはわからない・・・」

暗闇に、青白く発光する指先がゆらりと、言葉に乗って、水をすくう様に動く。

透き通るような掌に包まれて、琥珀蜜色の玉が暖かな光を放っていた。

「わからないけれど、わからないことが・・・俺には、こんなにも・・・苦しいんだ」


馬子・・・それは言葉にはならない音で闇に溶けた。


琥珀蜜色の玉は、その暖かな光で彼を包むように、ゆっくり・・・ゆっくりと・・・部屋を満たし、霧散した。


















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